阪急阪神第一ホテルグループメンバーズクラブアプリ

 当社は阪急阪神第一ホテルグループの、レストランやホテルのクーポンや予約ができる、公式アプリ「阪急阪神第一ホテルグループメンバーズクラブ」の開発・運用を担当しています。

 株式会社阪急阪神ホテルズ(以下「クライアント」)は、幅広いタイプのホテルを東京、大阪をはじめとして東北から九州まで展開する阪急阪神第一ホテルグループを運営する企業です。阪急阪神第一ホテルグループは、ラグジュアリークラスからビジネス&コンフォートクラス、リラックス&リゾートクラスまで様々なタイプのホテルを運営しており、多様なお客さまから長く愛されています。

お客さまとより充実したコミュニケーション経路を実現させたい

 クライアントは、様々なサービスを企画してから届けるまでに長い時間を要していることに課題をお持ちで、お客さま一人ひとりとのコミュニケーションをより充実させたいと考えていらっしゃいました。ネクストスケープは、クライアントの抱えている課題やお客さまに提供していきたいサービスに関してヒアリングを行い、お客さまのビジョンを体現する機能実装、UI/UXデザイン、オペレーションなど幅広いお手伝いを行いました。

アプリの初回リリースでは主に次のような機能を実装しており、今後も機能の拡充を進めていきます。

1. 予約機能
 アプリから宿泊やレストランの予約が可能。気になるホテルやレストランを「お気に入り登録」することで、最新情報をいち早く確認できる。
2. クーポン配信
 アプリをご利用の方に宿泊やレストランでお使いいただけるお得なクーポンを配信する。
3. デジタル会員証
 Sポイントの残高や有効期限がわかりやすく、いつでも手元で確認できる。 自動チェックイン機を導入している直営ホテルではアプリで便利に「ポイントをためる・つかう」ことが可能。
4. スタンプラリー機能
 さまざまなホテルやレストランをもっとお得に楽しく利用いただけ、かつスタッフとお客さまのつながりを大切にしたいということで電子スタンプラリーを採用。

参加メンバーとの対話を大切にしたプロジェクト進行

 今回のプロジェクトでは、実際にホテルやレストランで業務を行っている方々と一緒にアプリに実装する機能やデザインの検討を行いました。多忙な業務を行いつつ、初めてのアプリ開発であったため、技術的な要素を含む課題に関して、イメージを多用したわかりやすい資料を作成し、メンバーの負担を軽減できるように努めました。
 また、今回のアプリ導入に伴い、クライアントは、ホテルやレストランでのおもてなしから企画発信のオペレーションまで幅広い範囲の運用手順の変化が求められました。そのため、ユーザー視点でのデザイン設計のみならず、各ホテル・レストランでの実際の運用やそのサービスに携わる方々がアプリケーションを効果的に運用できるような仕組みを構築できるよう考慮して、プロジェクトを進めました。

 要求事項を機能に落とすために、その機能が利用されるシチュエーションのパターンやフローの洗い出しを行い、お客さまが実際にアプリを利用した時に起こりうることを整理して、1つ1つ検討課題として提起し、対話しながらプロジェクトを進めました。

多種多様なホテルのイメージを崩さないプロダクトデザイン

 アプリデザインでは、阪急阪神第一ホテルグループが運営する多種多様なホテルのイメージを崩さずに、プロダクトとして一貫したデザインとなるよう設計しました。
 そのために、「阪急阪神ホテルズらしさ」とはどのようなものかを、複数のキーワードとデザイン案から参加メンバーと議論を重ね、分析。採用デザインでは、ヘッダー部分に上質なシルクのテクスチャとゆったりとしたゴールドの曲線をあしらい、高級感と上品さを演出しています。

 ホーム画面のデザインでは、お知らせのボタンの位置と遷移方法、ベルアイコンの形や動きを複数パターン考え、より使いやすさとワクワク感を両立できる方法を吟味しました。

 また、普段スマートフォンアプリを使い慣れていない方でも、「どこになにがあるかわかる。迷っても帰ってこられる」導線となるよう、戻るボタンには目立つ色を配色。各画面には必ずタイトルを記載しています。今回のアプリは、一部ホテルの自動チェックイン時にもご利用いただけるため、親指の届く範囲にボタンを設置するなど、手荷物を持った状態でも片手で操作できるような画面デザインとなっています。

アプリサーバーはFirebaseを利用して低コストで構築

 クーポンやお知らせを配信するサーバーは、AzureやAWSなどの一般的なクラウドサービスではなく、Firebaseで構築しました。サーバー機能のオーバースペックを防ぎ、シンプルな構成とすることで、一般的なクラウドサービスを用いた場合と比較して1/10程度のコストでの運用を実現しています。

 また、スマートフォンアプリの開発はFlutterを採用しており、iOS・Androidそれぞれで動くアプリを同一のエンジニアで開発しているため、OSの差分によって生じるバグやデザイン差異の発生を防ぎ、スピーディな開発を実現しました。